2022年8月28日(日)更新

バリアフリー部

バリアフリー部では聞こえにくい聞こえない人のバリアフリーの推進に向けて、学びや情報交換により知識を高め、社会への啓発活動、行政や企業との協働を行います。

 

・背景と目的

差別解消法の成立や技術の発達と応用により、テレビ番組や電車の音声情報の可視化が進んでいます。また、個人で利用できる音声認識アプリの普及や、福祉機器・支援機器の発達も進み、以前より情報を入手しやすくなっています。一方で、命に直結する災害時の情報取得は困難な状況です。また、軽度・中等度難聴者は公的な支援が得られにくいままであり、現行の福祉サービスにおいても、聴覚聴力の損失によるQOLの低下を補えるとは言い難いなど、4つのバリア(物理・制度・文化情報・意識(心))はまだまだ残されています。バリアフリー部では、行政・企業と協働し、これらのバリアフリーを推進していくことを目的としています。


これまでの活動

 

移動等円滑化評価会議(近畿分科会)への参画

電車のバリアフリーへの取り組み(後述)から、行政主催の移動等円滑化評価会議(近畿分科会)に出席し、ています。また、近畿分科会から大阪・関西万博ユニバーサルデザインガイドラインの改定(後述)に関わりました。
 
移動等円滑化評価会議(近畿分科会)

 https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/bariafree/kinkibunkakai-top.html

 大阪・関西万博ユニバーサルデザインガイドラインの改定について

 https://www.expo2025.or.jp/news/news-20220331/

 

・電車のバリアフリー

平成21年に、公益社団法人兵庫県聴覚障害者協会等と電車のバリアフリー推進検討委員会を立ち上げました。聴覚障害者約100人に実施したアンケート結果からバリアを分析し、バリアフリーへの考察を行い、平成23年11月に、行政及び電鉄会社を招いて、「電車における聴覚障害者のバリアフリーを考える集い」を開催しました。また、平成24年11月に、近畿運輸局主催「バリアフリーなまちづくりを考える集い」にて講演を行い、聴覚障害者のバリアとバリアフリーについて、行政・鉄道事業者に広く周知いただけるきっかけとなりました。

 

【鉄道バリアフリー推進検討委員会】

  • 団体構成:NPO法人兵庫県難聴者福祉協会・公益社団法人兵庫県聴覚障害者福祉協会・兵庫県要約筆記サークル連絡協議会から委員選出
  • 目的:電車における聴覚障害者のバリアを明らかにし、バリアフリーに向けて提案すること
  • 主な活動:法令等調査・行政機関との情報交換・鉄道会社へのインタビュー・アンケート調査等

 

 

聴覚障害者の鉄道バリアフリーに関する分析報告書

~約100人のアンケートから見えてきたこと~

※当報告書のご利用について

行政・鉄道関係者への研修等にお役立てください。

複製・転用の許可については、ご連絡ください。 

 



・バリアフリー情報

このページでは、災害時のお役立ち情報や、聴覚障害に関するバリアフリー情報を掲載(随時更新)しています。兵庫県内の好事例の提供や、他の情報提供をいただけますと幸いです。また、お気づきの点がございましたら、お寄せください。

災害時のお役立ちサイト

サイト名 内容
兵庫県CGハザードマップ ご自宅や職場の浸水深や土砂災害の危険を調べるのに便利です。
ひょうご防災ネット 兵庫県の緊急情報や避難情報を発信しています。
兵庫県防災ページ 防災に関する兵庫県の公式な発表です。
SONAE to U ? KOBE防災ポータルサイト 神戸市の防災情報を網羅しています。災害の注意点などはわかりやすいイラストで他市在住の方も参考になります。
東京防災 東京都防災ホームページ

「東京」ですが、防災に関する情報や、簡易ランタンの作り方など沢山の情報が掲載されています。PDFで読むことができます。

#みんなで考える防災 twitter

NHK公式のtwitterで、イラスト入りで注意したいことなどを伝えています。「#水害から命を守る」も必見です。

災害時障害者のためのサイト NHK

防災や減災のためのヒントが障害等別にまとまっています。障害等別に「支援する方へ」も掲載されています。

地震ITUMO

家具転倒防止などの備えから応急手当等、体験談がイラスト入りで書かれています。

救援要請ツィートについて

災害に遭った時の救援要請の1つとして参考にしてください。

難聴者・中途失聴者のための災害時・緊急時対応マニュアル 全難聴

当事者団体がどのように災害時の備え、対応をしておくべきかのマニュアルです。

バリアフリーに関する法律やガイドライン

兵庫県のバリアフリー情報

サイト名 内容
兵庫県の障害福祉サービス・障害者支援のページ  
兵庫県障害者差別解消相談センター  FAX番号も掲載されています。
兵庫県立聴覚障害者情報センターの防災ページ

下記内容が含まれています。

・情報センターの緊急メールとお知らせメールの登録方法

・聴覚障害者災害支援ハンドブック

・緊急時の通報等(メール・ファックス110番・FAX119・NET119)

私たちが集める難聴者のための“施設所有機器”

(兵庫県立聴覚障害者情報センター 中途失聴・難聴事業推進委員会 社会生活部会)

兵庫県内の各施設に整備されている設備・機器をGoogleマップにまとめました。

4つのバリアフリー情報

①物理

階段など段差のバリアはありませんが、聞こえにくい聞こえないことで、向こう側が見えないドアが突然開いたとき怪我をするおそれや、火災報知機が聞こえないなど、音の情報が得られにくいことで、危険・不便なバリアがあります。音だけのインターホンでは、相手が話していることさえ気付けないことがあります。また、口を見て会話をする読唇術を使用する場合、距離や照明、壁などが物理的なバリアとなります。昨今では、学業・就業、店舗でも新型コロナウィルス感染症を防ぐためのマスクの着用が、新たなバリアとなっています。

<電話リレーサービス(総務省)>

公共インフラとして、令和3年7月1日から電話リレーサービスがはじまりました。

 総務省HP 電話リレーサービス

電話リレーサービスの利用については、日本財団HP電話リレーサービスをご参照ください。

 日本財団HP 電話リレーサービス

②制度

様々な支援制度がありますが、手帳制度や市町の要綱に合わない場合は、支援を受けることができず、障害の程度や居住地等によって、生活の質(QOL)の差がうまれています。ここでは支援制度を簡単に紹介しますので、詳細はお住まいの制度をご確認ください。 

<手話通訳・要約筆記派遣>

障害者総合支援法の意思疎通支援事業により、手話通訳・要約筆記者の養成や派遣が行われています。詳しくは厚生労働省の意思疎通支援のページをご参照ください。

★兵庫県の手話通訳・要約筆記派遣について

兵庫県立聴覚障害者情報センターの手話通訳/要約筆記のページ

以下抜粋

・聞こえない人、聞こえにくい人で、手話通訳・要約筆記が必要なときは、お住まいの市町の福祉担当窓口にお問い合わせください。市町が実施する意思疎通支援事業の対象となる内容は、原則無料です。

兵庫県下各市町の手話通訳・要約筆記派遣問合せ窓口(2019年8月現在

★遠隔手話通訳サービスについて
  2020年9月末から、遠隔手話通訳サービスがはじまりました。
  兵庫県立聴覚障害者情報センターの遠隔手話通訳サービスのページ
   お申し込み方法は、通常の通訳派遣と同じお住いの市町へお問い合わせください。

 

<補聴器の購入費支給について>

障害者総合支援法の補装具費支給制度により、身体障害者手帳交付の対象者が補聴器を購入する際、その費用が支給されます。自治体により、身体障害者手帳交付の対象外の方にも、補助を行っている場合がありますので、お住まいの自治体に問い合せてください。

★制度利用の流れが分かりやすく掲載されてい

ワイデックス情報サイト「みみから。」

医療費控除はこちらのページからご確認ください

★軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成事業は兵庫県内の市町独自の全てで実施されています。
  補助例 軽度・中等度難聴児補聴器購入費等助成事(神戸市)

★高齢者の補聴器活用調査にかかる補聴器購入補助金(2022年6月10日(金))

  詳しくは次のページをご参照ください

  高齢者の補聴器活用調査の実施(兵庫県HP 2022年4月21日掲載)

  

<日常生活用具費の購入費支給について>

音声インターホンを光や振動に変えて知らせる屋内信号装置やファックス、聴覚障がい者向けの住宅用火災報知器、人工内耳体外部装置、人工内耳用電池などの購入の際、障害者総合支援法の日常生活用具費支給制度により、購入にかかる費用が支給されることがあります。居住地の区役所保健福祉部にご確認ください。

③文化情報

音声が主体の文化や、音声の説明を聴くことで更に愉しめる場合には、聞こえにくい聞こえない人向けの配慮が必要です。ここではそういった取組みについて、記載しています。

  • 東京国立博物館様
    ギャラリートークに磁気誘導ループを設置。また、来館案内ページには、バリアフリー情報が記載されています。
  • UDライブ
    字幕や音声ガイドを、舞台の進行に合わせて、スマートフォンに表示・再生できるシステムについて、詳細に紹介されています。

  • 美術と手話プロジェクト様 コミュニケーションボード
    聞こえない人・聞こえにくい人をはじめさまざまな来館者と美術館スタッフの対話をサポートする「コミュニケーションボード」を4種類試作されています。

④意識(心)

ユニバーサルデザイン2020行動計画などで、心のバリアフリーが取り上げられたほか、接遇マニュアルの発行も進んでいます。

・部員募集中!

近年、SNSの普及が進み、多くの人に、聞こえにくい聞こえない人のバリアフリーが伝わりつつありますが、聞こえの程度やコミュニケーション手段、取り巻く環境も様々なため、より多くの当事者の活躍が望まれます。一緒に行政や企業と協働し、バリアフリーを進めていきましょう。

 


 

(問い合わせフォーム)

バリアフリー部へのご意見、ご要望等は、下記フォームでご連絡ください。

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聴覚障害者の鉄道バリアフリーに関する分析報告書
train-barrierfree2016.pdf
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